身体と心の声を聞きながら暮らす

持病はありますが、穏やかに暮らしたいと思います。

母、中心静脈栄養となる

9時から母の病院へ話を聞きに行ってきた。
3月半ばなので、てっきり転院先が決まって、いつどこへの話かと思ったら、ケースワーカーがいない。
医師と看護師との面談になった。


前回の面談時、中心静脈栄養のポート(皮下に埋め込んで、針を刺せば静脈につながる→以後CV)をお願いしたが、
「感染リスクがあるし、口から食べられているので」
と言われ、却下された。
だが食事摂取量が少なければ末梢から点滴をする。
元々血管が細い上、食事も水分もとれなければ血管は浮き出て来ない。
しかも動けば漏れる。
母が点滴をしているのは生理食塩水ではなくブドウ糖だ。
あんなドロっとしたものが漏れたら痛い。
両腕は紫で、想像するのが辛かった。


先々週だと思うが、医師から電話があり、鼻から管を入れて経管栄養をすると説明を受けた。
私は入れっぱなしの状態での病院しか働いたことがないが、医療は進歩している。
異物を四六時中鼻と喉にあれば、辛いのはわかるが、栄養をするたびに管を鼻から入れて、終わったら抜いていると言う。
私は学生の頃、実習で実際入れたり出したりをしたが、管を鼻から入れる時とても痛い。
コロナやインフルエンザの検査の時、細い棒を鼻の奥に入れると思うが、あれより奥に突っ込んで、喉を通過して胃に到達させる。
そう思えば検査した方は想像がつくだろう。
もしかしたら、口から食事摂取を試みて、ダメなら鼻から管を…となっているのかもしれない。


日曜日に面会に行った時、喉がガラガラしていた。
痰の吸引を頻回にしているとのこと。
食事は数口という。
「もう食べさせないで」
言いたくても言えない。
夫は
「ばあちゃんはもうわけがわからないから、受け入れよう」
と言う。
そうかな。
わけがわからなくても痛いかもしれないじゃないか。
だからCVポートを入れてくれと頼んだ。
なんなら胃ろうでもよかった。


ナースが2人がかりで時間でトイレ誘導しているが、尿路感染を起こしたらしい。
腕を見たら変色が無かったので、経管栄養から抗生物質の粉薬を入れていたかもしれない。
だが、いよいよ経口接種が限界となった。
胃ろう増設を言われると思ったが、CVポートを入れて、中心静脈栄養になった。
ホッとした。


結局胃ろうを入れても、逆流すれば誤嚥性肺炎になる。
医師はそこを考慮してくれた。
CVポートさえ入れてくれたら入浴時、針を抜けば良い。
もうどこも痛い思いをしなくて済む。
私は医師に
「高カロリー輸液は望まない」
と言った。
水分とわずかな糖分だけ入れて、静かに逝って欲しいだけだ。


CVポートを入れるからには放射線室で行うと思うから、今日の今日ではないだろう。
今月中に退院しないと、いわゆる「90日ルール」が無くなる。
入院が3ヶ月を超えると診療報酬が減らされるのだ。
だが、急性期の状態の患者がどうなのかはわからない。


転院はどうなるのだろうか。
そもそも転院するまで生きられるのか?


母を最後に連れてきてもらった。
車椅子上でぐったり眠っていたが、一瞬目を開けた。
「私だーれ」
再び目を瞑った。


CVなら、いつでも口触りの良い甘いプリンなど一口でも食べられる。
母はとても甘いものが好きだ。
それで誤嚥して急変しても、最期に大好きな甘いものが食べられたら幸せだと思う。
目がぱっちり開いている時に、食べさせて欲しいとお願いしてきた。


私の希望通りになった。
どんなに毒親だったかもしれないが、一人の人間を楽に逝かせてあげたいと思うのは、自然な気持ちだと思う。
良かった。


…………………


※ 以前「医療療養型病院が廃止になる」と書いた。
これは間違い。
今月で撤廃するのは「介護療養型施設」
医療療養型は残る。
誤解してすみません。m(_ _)m

×

非ログインユーザーとして返信する