身体と心の声を聞きながら暮らす

持病はありますが、穏やかに暮らしたいと思います。

無理だ

「光る君へ」を観た。ビール500mlを飲みながら。
昨夜夫が買ってきてくれたが、飲まなかった。


大河ドラマを観た後、黒澤明監督の「生きる」を観はじめた。
一度観ているから内容は知っている。
それでも観たいのは、セリフを覚えたかったからだ。


…………………


「これがこの物語の主人公である。
しかし、今この男について語るのは退屈なだけである。
なぜなら、彼は時間を潰しているだけだから。
彼には生きた時間がない。
つまり彼は生きているとは言えないからである。」


…………………


観るのを辞めた。
先にも述べた通り、この映画を一度観ている。
なのに、もう涙が止まらなくなった。


マズローの話を昨日書いた。
正確に言えば、下から
「生理的欲求」「安全の欲求」「社会的欲求」「承認欲求」「自己実現」
となる。 


人の文章を引用するが、


「空腹を満たしたい(生理的欲求)」「安全な場所に住みたい(安全欲求)」「家族・友人と親しくありたい(親和欲求)」「仲間に自分の実力を認められたい(承認欲求)」


ということだ。


もう一つ。


4つの欲求が満たされると、人が行動を起こす動機は「自分の能力を活かしてさらに成長したい(自己実現欲求)」まで達する。



50歳前まで自己実現を目指した。
大学院に進学するには、大卒資格がいる。
私は専門学校卒。
大学の3年生に編入するお金はない。
だから通信制の大学で単位を取り、論文を書き、試験を受けた。
学位授与機構だ。


合格した。「看護学士」の名が書かれた立派な証明書を見て、抱きしめた。
「大学院に受験する資格を得た」


無理だった。
借金まみれだった。
生存するためには家屋を売るしかなかった。



あれから6年。
病気と怪我に苦しむ。
加えて精神障害者。
落としに落としてA型就労で働く決意をした。
だが喘息で救急搬送された。
退院したら、骨折した。
治りかけたらまた骨折した。
喘息の抗体治療は4週間に一度の注射だが、3週間持たない。
苦しい。
そして骨粗鬆症。
半年で3回骨折した。



無理だ。


「なぜなら、彼は時間を潰しているだけだから」


それが今の私だ。

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