2月4日から娘のみかんは具合が悪かった。
次の日37度台の発熱があるも、コロナ陰性。
その日の夜38度台の発熱。
翌日受診し、インフルエンザ陰性。
「なんの熱だろうね」
と話していたが、熱が段々上昇し、38.8度になった。
熱冷ましを飲んでも、4時間ほどで切れて、高熱が出る。
仕事をずっと休んでいたが良くならず、2月9日朝、再びコロナキットで測定。
結果、陽性がでた。

今回のコロナは前回の倍具合が悪かったと言う。
昨日の朝の時点で
「まだ具合が悪いけれど、仕事に行かないわけにはいかない」
と言う。
「今夜びっくりドンキーのハンバーグが食べたい」
と言っていた。力をつけたくて、ハンバーグなら食べられそうだと言う。
そうしようと2人で話していた。
そこへ夫が起きてきた。

みかんは長期に仕事を休んでいることを気にしていた。
でも体がだるい。
行きたくないけれど、明日仕事に行かねばならない。
そこへ夫が
「明日も休めば？休んじゃいなよ」
と言った。軽口である。

夫に
「今夜ハンバーグをテイクアウトして食べよう」
と言ったら
「えー」
と返事が返ってきた。あからさまに気乗りしていない。
みかんは見ていたテレビを消して、部屋にこもってしまった。
今日から起きている練習をすると言っていたのに。

迷ったが夫に説明した。
「みかんは、具合が悪くて本当は仕事に行きたくなかったけれど、頑張って気を奮い立たせていた。夜に精のつくものを食べたい、びっくりドンキーのハンバーグなら食べられるから、あんたに今夜テイクアウトしようと言ったら、気のない返事をした。だからみかんは怒ってしまったよ」
夫はピンときていない。だから
「みかんだって、仕事に行きたくない。動くと吐き気がしている。それを笑いながら仕事休めばいいじゃんと言った。休めないと言っているのに、しつこくいいから休みなよと言った。あれじゃ怒るよ」
と言うと
「俺のせいで、みんなが機嫌が悪くなる」
と言って、ベッドに潜ってしまった。

私も苦しかった。2人が仲違いすると、不穏な空気に耐えられない。
幼少期の両親の怒鳴り合いの喧嘩の時、ビクビクしていた感情を思い出す。
朝っぱらだというのに、精神安定剤と睡眠薬を飲んで、眠った。

10時半頃目が覚めたら、夫はリビングでコーヒーを飲んでいた。
私は
「あんたらは性格が似ている。嫌なこと、腹の立つことがあったら、相手に文句を言うのではなく黙り込んでずっと不機嫌でいる。私は2人の間に挟まれて、まるで通訳をしているようだ。2人が仲が悪かったり、家庭の雰囲気が悪いと、私はなんとかしようとして2人に個別になだめに入る。みかんを慰めながら、あんたを傷つけないように仲をとりなすのは辛い。2人でなんとかして欲しい」
と言った。夫は
「俺は悪いことは言っていない」
と言う。
「とりあえず明日は病院だから、夕食はワタミで。明後日トマトカレーにして。木金はまた考える」
と言って、買い物に行った。

私はみかんの部屋の前に行き、声をかけた。
「パパ買い物に行ったから、リビングにおいで。座っている練習をするんでしょ？」
と言うと、起きてリビングに来た。すると堰を切ったように
「私だって仕事に行くの辛いし不安だ。パパはまるでからかうように簡単に仕事を休めばいいと言った。心が辛い」
と言って、おいおい泣き出した。
実は私は、みかんの様を見てホッとしたのだ。
泣いて気持ちを吐き出せば、楽になると思ったからだ。
「認知症の前兆なのか、歳をとったせいか、パパは気が回らない。相手にこんなこと言ったら傷つくと考えない。悪気はないんだよ。ママが説明してやっと理解したんだよ」
と説明した。
そこから、夫と私の今の関係も変わってきていることなど話した。
30分も泣いたらスッキリしたようで
「職場に持っていくお菓子を買いにパパと行ってくる」
と言って、身支度を始めた。

夫が返ってきた。
「大変なことに気づいた」
と言う。どうしたのか聞いたら
「カレーの材料を買いに行ったのに、あんたの昼ごはんを買わなきゃと思って買っていたら、鶏肉とトマトを買うのを忘れた」
と言う。
私の作るカレーはトマト4個、鶏もも肉2枚、玉ねぎ2個、生姜チューブとニンニクチューブ、カレールウが材料。カレールウは余っている。玉ねぎも生姜とニンニクチューブもある。カレーの材料を買いに行くと言って、肝心のトマトと鶏肉を忘れて、そんなに食べ切れるか、と言うほど私の昼ごはんを買ってきた。そもそもワタミが残っているのに。
「ショックだ、どうしよう」
「いいよ、ネットスーパーで水とか買うついでに頼むから」
と言ったが
「どうしよう、どうしよう」
とうろたえている。
私の方がショックだ。
夫は心に負担があると、ミスをする。
私が怒れば車をバックして電柱にぶつけたりする。
もともと車の運転は得意だった。
夫に言った。
「一度物忘れ外来にかかろう」
「それより耳鼻科にかかりたい」
と言う。去年の10月にコロナになり、以降食べ物の風味を感じないと言う。
タバコを辞めたので、食べることが気晴らしなのに、味がしなくて辛いと言う。
ちょうど返品した喪服のお金が戻ってきた。
「明日私車の運転して一人で受診するから、一万円おろして耳鼻科に行っておいでよ」
「ありがたい」
と言う。

その後
「みかんが、職場へお詫びのお菓子を買って行きたいって、服着て準備しているよ」
「じゃあ、行こうか」
2人で菓子折りを買いに行った。

私は苦しい。
夫とみかんの関係におどおどし、夫の認知症の心配をし、老後のお金や暮らしの心配をしなければいけない。
私は買い物に行く自信がまだ無いので、夫にカードを預けている。
夫は使いたい放題、お菓子や軽食を買ってくる。
いらないと言っても直らない。
夫は認知症なのか？これからの生活はどうする？

夜にはみかんは機嫌を直していた。
夜にはハンバーグを完食し、仮装大賞を見て笑っていた。

私一人で踊っているようだ。　

…………………

上記の記事は1時20分に書き終えたもの。
寝ぼけて公開するのを忘れた。

みかんは今朝、コロナのキットでうっすら陽性。
咳もしている。
上司にキットを写真添付でLINEしたら、「休んでください」と。
あんなに大騒ぎしたのはなんだったんだ。