身体と心の声を聞きながら暮らす

双極症の確定診断がつきました

のど自慢

皆んなが出かけている間に、睡眠薬を飲んで眠った。
目覚めた時まだ誰も帰ってきていないから、またバームクーヘンを食べた。
お腹が満たされれば良いと思った。


少し落ち着いた。
本は買えている。
はちみつもレモンも食べたい時に買っていた。
お金がない時期なんて、年金の2週間前に過ぎない。
その期間だけ辛抱すれば良い。
食べていくだけではない。
YouTubeの動画で観たような、夜はろうそくを灯して生活しているわけでもない。
いざという時、みかんが助けてくれている。
夫は家事を頑張ってくれている。
私も頑張らなきゃ。


みかんが近所に新しくできた、中華料理の店のテイクアウトを買ってきてくれた。
卵あんかけチャーハンを食べた。とても美味しい。
のど自慢を観ながら、3 人で笑いながら、感心しながら観ていた。


審査員の歌になった。
レミオロメンのボーカルの人が出ていた。
新曲でも歌うのかと思ったら「3月9日」を歌った。
もうダメだった。涙腺が崩壊した。
この歌が流行った時、父は亡くなった。
死ぬまで働いた人だった。
「…ママ、じいちゃんのところに行きたい」
おいおい泣いた。
「また始まったよ。歩けるようになるよ」
「椎間板の再生治療は100万円かかる」
「他に良い方法があるかもしれない」
夫は黙々とご飯を食べていた。
私が泣きだすと黙ってしまう。
下手なことを言うと、自分が責められかねないからだ。


「東京本社で、1万円分の商品がもらえる冊子をもらってきた。あんたが選ぶといい」
包丁を選んだ。
うちの包丁は、大分切れ味が悪くなってきていた。
1万円の包丁なんて、どんなに切れるだろうか。
みかんが
「指、切らないかな」
と言った。
「切れない包丁を使う方が、指を切って大怪我するよ。カボチャ切って指ざっくりいった患者さんが来たことある」


包丁で、機嫌を直した。
明日は歩いて整形外科に行く。